ちゅったんの香港おばば 目次
がんばれ、Mameちゃん!

私の周りには愉快なだけでなく、いきいきと輝いている人がたくさんいます。
日本語の生徒さんのMameちゃんもその一人。
ワーキングホリデーで日本語に行くことが決まっている20代の香港ガール。
語学学校で初級日本語を終わりそうなところまで終わっていて、簡単な会話なら日本語で話せます。
彼女の目標は仕事をする上でスムーズなコミュニケーションがとれること。

彼女は若いけど大学在学中からアーティストとして活動し、去年その実力が認められてある賞を受賞。その賞金で1年日本の尊敬するアーティストのところに弟子入りすることにしたのです。何のコネもなく、グーグル翻訳を駆使して売り込みのメールも面接も日本語で挑んで、最初は難色を示していた師匠も最後には受け入れオッケーを出しくれました。彼女の情熱に心を動かされたんでしょうね。その小さな体のどこにそんな勇気や行動力が潜んでいるのか不思議ですが、自分の考え、直感、センスに揺るぎないものを感じます。

私は日本語教師ではないけど、とにかく日本語で会話する相手が必要とのことで集中レッスンを引き受けました。最初は会話だはだったはずが、日本語能力試験の3級を目指したいと言うので、テキストを買って猛特訓。外国語としての日本語と国語の教え方は全く違うので、一緒にテキストを進めながら私にとっても発見の連続でした。私の周りにはバリバリの日本語教師がたくさんいるので、もうこれ以上日本語教師の需要はそんなにないでしょう、と思ってましたが、教えてみると面白い。雨の種類で、春雨は「はるさめ」と読む時は「粉糸糸(ファンシ)」の意味だと教えるとMameちゃんは「こんなきれいな言い方、いいね」と、全く違った感性で日本語を捉えるところが素敵です。彼女は目的もはっきりし、時間も限られていたので、ものすごい本気モードだから教えがいがあり、急に日本語教師の道もいいな、と思い始めてしまったのです。

集中講座でやれることは限られてますが、少しは日本語を話す自信に繋がってくれたのではないかと信じてます。若い時の異文化体験、きっと彼女のこれから作品づくりの大きな糧となることでしょう。出発前に、書類に使うために作った印鑑を見せてくれました。そう、日本はサインの文化じゃないからね。牛角の印鑑、彼女の覚悟が伝わってきました。

でも、Mameちゃんが不安そうに
「センセー、日本でtempoは買えますか?
私はビエンセイアレルギーなので、日本のティッシュは柔らかすぎて使えなくて、スーツケースにたくさんtempoを持っていきます。使ってなくなったらどうしよう。」

Mameちゃん、大丈夫。その頃には、香港より乾燥してる日本の気候に肌も慣れて、日本のポケットティッシュのほうが好きってなってるかもよ。案ずるより生むが易し。

私は誰かを送る時・別れる時、忘れないでね、とか思い出してねとは言いませんし、思ったこともないです。この日本語の特訓も、香港での生活もみんなみんな思い出す暇がないぐらい、忘れてしまうぐらい瞬間瞬間夢中で仕事して、恋して、泣いたり笑ったりときめいたりしながら20代を駆け抜けてください。それだけ毎日は似ているようで似ていない。1日1日が掛けがいない、取り替えがきかない時間なのです。

 

Sep 12, 2018

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