くらす香港 漆

暮らしてみて見える・感じる香港を各フィールドで活躍する女性に伺いました。

 

改革し新しいことに挑戦する

 

箕田純子(みたすみこ)さん

職業:人間ドッグ
ヘルパー斡旋事業運営

箕田純子

プロフィール
福岡出身。香港健康管理センター総経理、Japan Health Care and Manpower Services 総経理、
九州人会幹事。趣味はhttp://www.hkkkc.comと旅行・友人との食事。二児の母。

希望だった海外生活

28歳の時、前夫の海外赴任に伴いマレーシアのクアラルンプールへ転居。もともと夫婦共に海外志向があったので、海外赴任については不安より期待のほうが大きかったです。常夏でアパートにはプールやCanteenもあり家も広く物価が安い、リゾートに行きやすいロケーション、子どもたちが通うインターナショナルスクールを通して日本では知らなかった世界、このまま永住してもいいかなと思うほどクアラルンプールの生活に満足していました。赴任から6年後に辞令が出て日本へ帰国。

帰国後も、できれば子どもたちにはより広い視野を持って欲しい、インターナショナルスクールでなく日本人学校だとしても海外の土地で教育を受けさせたいという思いがありました。
そんな時、マレーシア時代の知人から前夫へ香港の仕事のオファーがあり転職。家族四人とマレーシアから連れ帰った愛犬一匹とで香港へ移住しました。ところが転職先の経営状況が悪化しあっという間に倒産、路頭に迷う中再びマレーシアへ向かい前夫が起業するもやはりビジネスは予想以上に難しいものでした。
私も働いて家計を助けたい、社会に戻りたい、でもマレーシアでは配偶者ビザでの就労は認められておらず、就労ビザの取得も安易ではない為、私は何もできずで2度目のマレーシア生活は葛藤の日々でした。

香港での新たな道

マレーシアの生活に区切りをつけ、新天地を求めて、まずは子供達の英語教育を持続できるアメリカ、カナダ、オーストラリア、マレーシアのお隣という土地柄比較的知人が多く様々な情報が入ってきていたシンガポール、以前少しだけ居住した香港、、、とあれこれ模索しました。
そこで唯一道が開かれたのが香港でした。そして再び家族四人と愛犬一匹とで香港へ。。。

気づけば前夫との間に埋めがたい溝ができていました。私は移住後すぐに就職活動をし、今の会社に営業職として働き始めました。
悩んだ末、前夫とは別の人生を歩もうと決心し、娘二人と愛犬一匹を連れての別居・離婚。
シングルマザーになり、仕事と家庭との両立の生活が始まりました。
当時、長女はインターナショナルスクールの中学部だったので送り迎えは必要ありませんでしたが、次女を通わせた日本人学校にはバスの添乗や保護者の活動などがあり、仕事の合間を縫ってこなしていました。
毎朝バスストップに出向き子供達の安全を見守らなくてはならないバス委員さんの役目は到底私にはできませんでしたが同じバスストップのお母さんたちが笑顔で協力してくれ、本当に助けられました。


(3人と1匹で新たな道を歩き始めた頃の一枚)

やはり仕事と子育ての両立で一番辛かったのは子どもが高熱を出して辛くて泣いていてもずっとそばにいてあげられない時でした。出張で留守にすることもあり、心細く随分寂しい思いをさせたと思いますが、娘たちが口に出して離婚を責めることはありませんでした。娘たちは自立せざるを得なかったわけですが、2人とも立派に自立し、また他人を思いやれる人間に成長してくれたことを誇らしく思います。今長女は26歳、次女は19歳、自分の進路や就職についても彼女達自身で考え、選択してきました。


(3年ぶりに3人揃う事ができた今年の年越し)

 

働ける限りは仕事をしていたい

香港は男女平等が根付き、仕事の上では女性でもバツイチでもハンデはありません。また、香港人のいいことろは、問題点を注意・改善を促しても、納得いく説明をすればあっさりと受け入れてくれる点です。
そして常に効率の良さを重視しているところ。
働ける限りはずっと仕事を続けていきたいと思っています。

そして今新たな挑戦に取り組んでいます。私が勤務する香港健康管理センターでは、人間ドッグをはじめとし健康に関するアドバイスなどが主要なサービスですが、新規事業としてヘルパー斡旋会社を立ち上げました。日本式の介護教育を主軸に家事全般・言語等を教育、介護教育についてはケアマネージャー兼現役ヘルパーとして活躍されている日本人の方の基にトレーナーを育成し介護人材初任者研修の教材を使ってフィリピン・マニラで人材を育成し、香港にヘルパーとして派遣します。日本でも高齢者介護の問題が毎日の様に取り上げられていますが、日本のみならず、香港でも同様の問題を抱えています。
香港では住み込みのヘルパー雇用がすでに文化として成り立っているため、まずは香港において日本式の介護という付加価値をつけての斡旋事業を試みています。


(マニラの人材育成、介護研修の様子)

日本、マレーシア、香港に暮らしてみて思うこと

香港は日本と比べると季節の変化は少ないかもしれませんが、ゆるやかながら四季もあり、季節の行事もあります。特にクリスマスや旧正月が香港らしくて好きです。気温も下がり、きらびやかなイルミネーションに心が踊ります。生活する上でも香港は自由でおおらかです。透明性が高いシステム、外国人へのビザのスムーズな発給、スピード感など優れた点もたくさんあります。基本的に他人に干渉しない、自分の意見を押し付けないところも心地よいです。

ただ、ビジネスの面では、家賃・コストの高騰、常に変化を求められる香港では改革し続け新しいことに挑戦しないと生き残れないという現実もあります。異質な物を締め出すのではなく、受け入れつつメリットを引き出し利益に結びつける、しなやかで打たれ強い香港人の姿に強く共感します。


(九州人会として日本秋まつりに参加した際の松田大使との一枚)

香港に関する10の質問

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1、香港で一番驚いたこと/カルチャーショックだったことは何ですか?
住居の狭さとそれに伴わない異常な価格と高騰

2、香港のすごい、いいなと思うところは何ですか?
街そのものがエネルギーで溢れているとろ。

3、香港のちょっと残念、嫌だなと思うところは何ですか?
食事のマナー。女性にもう少しおしゃれを楽しんでほしい。

4、 香港で食べた物で一番美味しかった料理は何ですか?
本場の飲茶。

5、 香港で食べた物で「これは無理!」/苦手という料理は何ですか?
ローカルの昔ながらのカラフルで甘い甘いCake。

6、日本人にあげる買うお土産を教えてください。
調味料やMarks & Spencerのお菓子。

7、香港に来た親戚や友達が来た時案内する場所はどこですか?
SOHO, LKF, Victoria Peak,夜景が一望できるレストラン・BAR。

8、ご自身にとってのパワースポット/好きな場所はどこですか?
TSTからHK島へ向かってのStar Ferryに乗ると活力が沸きます。

9、 香港で得た最大の財産(有形・無形)は何ですか?
ビジネスを通しての経験・人脈 子供の教育(英語教育や様々な文化、日系の塾でお会いした恩師の方々)。

10、香港で挑戦したい/やりたいことはありますか?それは何ですか?
変わり行く時代に取り残されない様に常にアンテナを張って改革を続けて行けたらいいなと思います。

これから香港に来る方・来たばかりの方へ応援メッセージ
中国の中の香港の存在感、中華人民共和国香港特別行政区という香港の正式名称、イギリスから中国へ返還された際に向こう50年の維持を約束された一国二制度などにつきあまり良く知らない方が多くいます。事前に香港の歴史、返還後の変化や政治等をリサーチされておくと香港に暮らす上でいままでとは違う目線で香港を感じることができると思います。

 

《あとがき》
苦難を乗り越え、シングルマザーで立派に二人のお嬢さんを育てた純子さん。打たれ強く、変化の中をしなやかに生き抜く姿勢は香港人に通じます。新規事業の日本式ヘルパー斡旋への情熱が熱く、かっこいいです。『家政婦のミタ』さんならぬ『家政婦派遣のミタ』さんとしての活躍を応援します。
聞き手:コンスミコ

Jun 14, 2019