お受験体験記
親だったら自分の子供は可愛い。
その子供が5歳にして「お受験」という壁に当たったら。。
人事だと思っていた小学校受験。
まさか、まさか、我が家が参戦することになるとは。
2012年、娘とその家族のお受験奮闘記。
<Meme>
5歳(K3)
台湾人の父とは英語、普通語で話し、
ひとつ上の兄とは日本語と英語、日本人の母とは日本語。
広東語が話せるお手伝いさんとは英語、時々広東語。
K1より普通語と英語の幼稚園に通う。
基本的にはおしゃべりで社交的だが、初めての人の前では貝になる。
小学校受験?!
小学校受験。。。。
5歳で受験だなんて!と思っていた2011年。
1つ上の兄は他校を受験することなく、幼稚園の付属小学校へひょいっとあがり、ローカル小学校を受けた友人ママ達が一喜一憂するのを他人事のように思っていた。
それが、2012年、年子の娘と私は見事にその一喜一憂の中にいることになった。
■香港ローカル小学校って?
ご存知のとおり香港は多国籍多言語社会。
街を歩けばさまざまな国の人に出会う。
多国籍な分、教育も幅があり、所謂「インターナショナル校」、「ローカル校」と大きく2つに分けられる。そしてこの「ローカル校」もまた、「官立」、「資助」、「直資」、「私立」の4つに分けられ、もうこの時点で私の頭はオーバーヒート。
この4つ、簡単に言えば、政府がどれだけお金を補助してその分管理しているかの違いだと思っていいと思う。
「官立」-教育局が直接管理しているので学費は無料。
「資助」-団体や学校で独自管理、政府の大補助あるので学費は無料のところが多い
「直資」-団体や学校で独自管理、政府が補助金+学費で運営している
「私立」-資金、運営ともに独自管理
と、私の大雑把な解釈。(詳しくは参考HPへ)
「のびのび」、「宿題が少ない」、「IB(International Baccalaureate)」なんかは私立や直資に多いのはその学校が政府の干渉なく自由にカリキュラムが組めるから。ちなみに所謂「有名校」はこの分類に関係なくどこでも存在するのでこれもまた選ぶのに苦労させられる。
■情報収集
香港の小学校はなんと569校もある。
日本のように校区外は行けないなんてことがないので実質この569校から選ぶこととなる。
政府のホームページや書籍なんかで学校の詳細は調べることができる。
しかし、そんなのやってたら日どころか1年が暮れてしまう。。と思ってしまう面倒くさがりな私。
そんな時はローカルお母さん方。
日ごろ仲良くしていただいているお母様方。
その時期になると「どこ受けるの?」なんて話になる。日本人的にはストレートだなぁと思うことも、駆け引きの苦手な私は香港人の直球サバサバさは心地よささえも感じてしまう。
「うちは英語と北京語で教えてて、詰め込みしないところがいい」と条件を具体的に話せばお世話好きなお母様方があれよこれよと教えてくれ大変助かった。
受験生の母はつながっており、受ける学校も似たり寄ったりだったりするので、受験当日ギリギリまで受験情報が飛び交う。中には、面接10分前に情報をくれた友人もいた。10分前にもらった情報が生かせたかというと疑問だが、とにかく戦友と情報は多ければ多いほどいいのだ。
もうひとつはホームページ。
受験情報サイトたるものが香港には存在する。
受験生の母なら知っているであろうサイト。
BBS形式になっていて、試験の情報はもちろん、受かった、落ちた、なんて書きこみも。
過去のものも閲覧できるようになっているので、前年の面接の様子なんかも知ることができる。
書き込みはほとんどが中国語。(時々英語)
■買わない宝くじは当たらない?!
某有名校の競争率、20倍以上!150人の枠に3000人以上が申し込むという信じられない状況。そんなの受かりっこない!と鼻から諦めてしまう私。
しかし!
香港人は違う。
「もしかしたら、うちの子は。。。。」と思う人が多いようだ。
買わない宝くじは当たらないのだ。
競争率を上げている理由の一つは受験料ではないかと思う。
大体直資だと50ドル~100ドル(600円~1200円)ぐらいで受けることができてしまうのだ。こうなると取り合えず、、と受ける人が多い、多い。(私もその口だったのだけれども)
ちなみにうちも直資、私立だけで7校も出した。
7校出しても日本円で1万円にもならない。
日本の私立小学校の1校の受験料にも満たないのだ。
おまけに、願書もホームページからダウンロードして郵送というお手軽さ。
取り敢えず。。。となる人が多いのもうなずける。
また、近年子供の増加(本土から香港への移民増加)も拍車をかけている。おまけに娘は金豚年(2007年)生まれ。占い大好きな中華人、この年を狙って出産した人も多いよう。
そんなこんなで例年にも増して加熱する受験戦争。多い人だと10校以上、もう何校出したか分からないって人もいるぐらいエライことになっている。
■ホームページをチェックすべし!
私立、直資の願書受付は早いところで5、6月からはじまる。
(受験は早いところで7月ぐらいから、ピークは9月~11月)入学の1年以上も前からお受験は始まるのだ。
いやいや!その前に学校見学や説明会なんてのもあるのでかなりの長期戦だと考えてよい。
学校を知るのに説明会は絶好のチャンス。
が、、、、これにも枠がある。
有名校の説明会は指定された日にホームページや電話できっちり申しこまなければならない。まるで人気アイドルのコンサートチケットを買うかのごとく。
うっかり屋の私、気づけばもう時すでに遅し・・・・ということが多々。後で友人に「どんな感じだった~?」と聞いて回らなければならない羽目になる。ホームページのチェックはかなり頻繁にしたほうがいい。
■ザ・Portfolio
願書を書き始めるとよく「Portfolio」という言葉を見る。
必須ではないものの、Portfolioは何枚までと枚数をしていしてくる学校が多い。
ということは、当たり前だけれども出したほうがいいのだろう。
ポートフォリオ?
はて???
私の頭に浮かんだのは画家さんやモデルさんの作品集。
困った。。。。。
そんな時に助けてくれるのはやはりお友達。
数年前に娘さんのために作ったポートフォリオを見せてくれた。
習い事歴からはじまり、いただいた賞の写真、旅行、日常生活、彼女の書いた絵などが数ページに渡りきれいにまとまっている。
思わずため息。
ちなみに我が娘、習い事といえば、近所でやっているバレエと兄と一緒にやっている空手、夏限定で行った水泳、体操教室ぐらい。
周りの人が、やれ何たらコンテストやら何たら大会やらに出場していた理由がやっと分かった。
苦し紛れに参加したスピーチコンテストで知り合ったお母さん。
なんと、日本語をまったく習ったこともない娘さんを日本語スピーチコンテストに出場させ、みごと優勝した。
もちろん、このお母さん、日本語の「に」の字も話せない。
クラスでも通わせたのか?と聞くと
「YouTubeで」と。
コンテストって、、、、と思わされるエピソードだった。
正直、コンテストにはネガティブなイメージを持っていた私だけれども、娘を数回コンテストに立たせると、それはそれで悪いことばかりではない。
娘は人前に出ることが好きになったし、賞をいただき自信もついた。
ポートフォリオのためというより、娘のやる気と自信を持たせるにはいいものだったのかもしれない。もちろん、子供の性格にもよるが。
さて、慣れないパソコン相手に、数少ない賞と写真を掻き集め、夜な夜なポートフォリオたるものを作る私。
作りながら思った。
娘はこの5年間、どんな生活を送り、何を学んできたのか。
そして、私がどれだけ彼女に向き合い、時間をかけてきたのか。
がむしゃらに毎日を送り、走り続けている私にとってポートフォリオ作りは、彼女との5年間を振り返るいい時間になったのは言うまでもない。
<参考HP>
小学概覧