香港ママの出産体験記
その他、For Mumsの「健康」カテゴリーに「健診&産院アンケート回答」もありますので、ご覧下さい。
リレーみゆきりんその11
[2005.9.26] (37週目)
まさかの37週目突入である。
前回は36週で妊婦生活が終わってしまったから、
ちょっと新鮮な気持ちでプリンセスマーガレットにチェックアップに行く。
レジスターをして尿、血圧、体重を計る。
今日は中近東系の妊婦さんとだんなさんが多い。
彼女たちのアナウンスは英語だった。
前回はなかった尿検査や体重を計るところには英語のサインが書かれてあった。
ナースとのインタビューが終わり、ドクターの診察を待つ。
今日のドクターはドクターというよりも八百屋のおばちゃんといった感じの人。
この人みたいな頼れるかあちゃんに出産に立ち会ってもらいたいものだ。
10日くらい前におしるしがあったけど1日でなくなったと言うと
「出血したらすぐに病院に来ないとダメよ。赤ちゃんのためなんだからね。」
と怒られた。
「おしるしだと思ってずっと陣痛がはじまるのを待っていたら今日になっちゃったの。」
と言い訳をした。ちょっとは病院に行こうかとも考えたが遠いし、
面倒だから行かなかったなどとは言わない。
「それは心配だわ。おしるし(Show)は数日後に出産するとおしるしであって、そうでない場合は出血(Vaginal Bleeding)なのよ。それはどこかに異常があるかもしれないから検査が必要ね。」
と言って、翌日の日帰り入院書を渡してくれた。
そんなオオゴトなの?
いくら二人目だからといってちょっとぐうたらすぎた自分の行動を反省した。
ブドウ糖テストをした老人科で再び採血をした。
費用:なし
[2005.9.27]
早朝からシャワーを浴びて念入りに髪の毛や足の裏を洗う。
もし今日入院することになって数日シャワーを浴びられなくても大丈夫なようにだ。
カバンには入院グッズを用意し、もし入院することになったらそれを持ってきてもらえばいいようにしてある。
日帰り入院でも一応入院だから病棟のところでレジスターをする。
その後、ブロックAにある産前科に行く。
ファイルを見せるとピンクのパジャマを渡され、それに着替える。
尿検査の後、体重、体温、血圧を計り
「今日は便があった?」
「緊急連絡先は?」
などの質問を受ける。
そして出産するにあたって吸引や会陰切開が必要な場合はそれに同意しますという紙にサインする。
その後8人部屋の一番奥の窓側のベッドを与えられ、そこで検査をするのを待つ。
この産前科は文字通り出産直前の妊婦さんの部屋で陣痛で苦しそうにしている人もいる。4つある大部屋は人で溢れている。
産後の人もいるようで新生児のか弱い泣き声がひっきりなしに聞こえてくる。
それにしてもパジャマといいカーテンといい、ピンクの世界である。
1時間くらい寝転んでいると、胎動、胎児の心拍数、陣痛を記録するベルトをお腹につけられる。
これで40分間、胎児の心拍数を観察するそうだ。
小刻みにバクバクする心拍音だが胎動があるとボコーンという大きな音がしてグラフが山になる。
それが終わると昨日の八百屋のおばちゃんドクターによる内診があった。
おばちゃん・・・じゃなくてドクターはグラフを見て
「本当にお腹痛くないの?」
と聞く。どうやらグラフによると軽いが陣痛はあるらしい。
しばらくすると音楽が流れ、食事が運ばれてきた。
寝ている人を起こすためのものだったようだ。
大きなランチボックスに3膳くらいありそうな山盛りのご飯とチョイサム、そして魚のあんかけが入っている。
デザートには温かいオレンジまでついている。
栄養のバランスはとれていそうだが、お味の方はう~ん。
向かい合って無言で食べている他の香港人の妊婦さんたちは残さずにきれいに食べていた。
それからまたしばらくすると超音波の部屋に案内される。
ドクターはとても長い時間をかけてベイビーを慎重に見てくれた。
どこも出血していないからベイビーは大丈夫とのこと。
でももし同じようなことがあったらすぐに病院に来るようにと何回も何回も繰り返し言われた。
時計を見ると2時半。
「やっと帰れる!」
と喜び洋服に着替えたのだが、誰かに迎えに来てもらわないと退院はさせられないと言う。検査の結果問題がないと言われたのにどうしてなのかと聞いても、
それが病院のポリシーだからと言う。
仕方がないから電話をして母に来てもらうことにした。
なんだか監獄を出る囚人のような気分である。
3時になるとおやつ(?)の牛乳と食パンを配るおばちゃんがまわってくる。
こんな味気のない食パンは誰が食べるのかと見ていたら、
妊婦はお腹が空くのか結構みんな食べていた。
その直後、同室の一人が紫の後ろ開きの着るものに着替えて分娩室に運ばれていった。
がんばって、というよりもいいなあ、という顔でみんな見送っていた。
この病棟でヤップンヤン(日本人)は私だけのようで、
母が玄関で看護婦さんに私の名前を告げたらすぐに病室に連れてきてくれたそうだ。
それでやっと私は釈放・・・ではなく退院ができた。
入院したのは8時半、退院は4時半。長い1日だった。
ナースのみなさんは広東語を話すように英語を話すからぶっきらぼうに聞こえるけど、
みんなとてもナイスである。
次回のチェックアップは1週間後。
それまでに毎日胎動の記録をして、次回提出しなければならない。
費用:入院費150ドル