楊さちこさんのコラム
楊さちこさん 中医学博士
日本と香港のアジアコスメブームに火をつけたアジアンコスメの第一人者。「中国の知恵」からきれいを追求した結果、「中医学美容」にたどりついた。商品開発から、美に関するトータルプロデュースを手がけると同時に、中国・南京中医薬大学・教授、同大学付属・東方美学研究院の院長という教鞭を取る立場に。ほかに世界中医薬学会総合会亜健康専業委員会常務理事、香港美容業総会副会長なども務める。セミナーやツボマッサージなどの 講習会も開き、「楊さちこ式美容メソッド」を伝えている。著書には「中国化粧品探検」「アジアのきれいはアジアが守る」など。2005年に発刊された「漢方美肌生活」が話題になり、ますます活躍の幅を広げている。香港在住20年。
URL: http://www.yo-sachiko.com/
子育てに関する本は、以下の2冊がある。各100HK$(2冊セットで180HK$)。
香港内の日系書店で発売中。
「わたしの香港的子育て大発見~元気編~」
「わたしの香港的子育て大発見~やるき編~」
下痢(1)
vol.7~14は、「脾」についてです。中医学でいう「脾」は西洋医学でいう「脾臓」とは異なり、胃腸のような消化吸収に関する働きを担っているものの総体を指します。「脾」が傷つくと下痢や便秘、肥満などになります。vol.9では下痢についてのコラムをお送りします。
■下痢(1)
1、お母さんによるチェック
□ 神経質である
□ 最近、学校でいやなことがあったみたい
□ 食欲がない、もしくは、食が細い
□ 物事をまじめに考えたり、細かいことに気を使ってしまう性格
□ ちいさなことでも、くよくよすることが多い
2、体に現れる特徴
腹痛を訴え、便の状態が普通のときよりもゆるくなります。
風邪の症状としての下痢や、食あたりの下痢など、何らかの病気が原因の場合と、精神的なものが原因の場合があります。それ は、例えば毎朝登校時間になると、必ず「お腹が痛い」と訴えトイレに行く、みると、実際に便がゆるくなっています。心配になって病院にいってみても「どこ にも異常がない」と言われます。そうなると、お母さんは悩んでしまいます。「この子は学校に行くのがいやだから、うそをついているのかしら?」だからといって、子供に「うそばっかりついて」ともいえないと、困り果てているお母さんがたくさんいます。
でも、実はこれは「過敏性腸症候群」といい、ストレス社会で特に目立ってきた現象なのです。
3、原因
腸とウンチの検査では異常がないのに腹痛や下痢を起こす症状を、中医学では「気滞脾虚」といいます。それは、ストレスによる気の滞りが胃腸などの消化器に影響を及ぼすことが原因。
風邪、食あたりなどが原因の場合もあります。
4、食養生で元気になろう
・風邪、食あたりなどの下痢に「大蒜粥」
風邪、冷え性、疲労回復に効果があります。温めて食べることにより、体が温まり、新陳代謝が促され体調が整うので、風邪、食あたりなどの下痢に効きます。注意事項は食べ過ぎないこと。
【材料:一人分】
にんにく ひとかけ、お米50g、水350cc、塩少々
【作り方】
① 大蒜ひとかけは薄切りにする。
② お米はといで、水を入れた鍋に入れて、1時間くらいつけて置く。
③ それに大蒜をいれて中火にして沸騰させる。
④ 煮立ったら弱火にして、炊き上がる直前に塩少々を加える。
[参照] -子供の元気を作る素 お粥の作り方-