喘息 - IAMMAMA 天天新煮意，創意食譜，媽媽便利手冊

楊さちこさんのコラム

楊さちこさん　　中医学博士

日本と香港のアジアコスメブームに火をつけたアジアンコスメの第一人者。「中国の知恵」からきれいを追求した結果、「中医学美容」にたどりついた。商品開発から、美に関するトータルプロデュースを手がけると同時に、中国・南京中医薬大学・教授、同大学付属・東方美学研究院の院長という教鞭を取る立場に。ほかに世界中医薬学会総合会亜健康専業委員会常務理事、香港美容業総会副会長なども務める。セミナーやツボマッサージなどの講習会も開き、「楊さちこ式美容メソッド」を伝えている。著書には「中国化粧品探検」「アジアのきれいはアジアが守る」など。2005年に発刊された「漢方美肌生活」が話題になり、ますます活躍の幅を広げている。香港在住20年。

URL: http://www.yo-sachiko.com/

子育てに関する本は、以下の2冊がある。各100HK$（2冊セットで180HK$）。
香港内の日系書店で発売中。
「わたしの香港的子育て大発見～元気編～」
「わたしの香港的子育て大発見～やるき編～」

喘息

vol.15～17は、「肺」についてです。中医学でいう「肺」は、呼吸をつかさどると言う西洋医学の「肺」の機能に加えて、水分代謝や、皮膚の状態とも深い関係があります。vol.17では、喘息についてのコラムをお送りします。

■喘息

１、お母さんによるチェック

「寒証」型
□ 風邪を引きやすい
□ 背中がゾクゾクして寒い
□ 少しべたつく痰がでてくる
□ 下痢気味で顔色が青白い
□ 体力がない「熱証」型
□ 脂っこいもの、甘いものが大好き
□ 黄色いべたつく痰がでる
□ 汗かき
□ 体に痛みがある
□ のどが渇きやすく、冷たいものが好き
□ 黄色の舌苔がある
□ 体格がいい
□ 便秘気味
□ ストレスがたまりやすい
□ アレルギー体質

２、体に現れる特徴

「一度出た咳がなかなか止まらず、風邪をひいたのかと思ったけどどうもそうじゃないらしい…」という経験はないでしょうか。喘息というと子供に多い病気と思われ、成人すれば自然と治っていくものだと考えられることもありますが、実は大人でもかかる病気であり、大人になってから発症することも少なくありません。

喘息とは「気管支喘息」と言われるように、気管支（肺）に起こる慢性炎症による病気です。気管支とは、鼻や口から肺までの空気の通り道の一部で、この部分が炎症を起こして極端に狭くなってしまう（気管支狭窄）ことや、完全に塞がってしまう（気管支閉塞）ことにより喘息は起こります。喘息患者の気管支は、たばこの煙や自動車・工場の排気ガスなどさまざまな刺激物に対してとても敏感で、簡単に収縮してしまう性質があります。

発作が起きると、ゼイゼイしたり息苦しくなります。この発作は、落ち着いてゆっくり呼吸を整え、すばやい対処をすれば、症状が軽くなったり自然に治まったりすることもあります。この発作は、夜間または早朝に起こることが多く、睡眠を妨げられることも少なくありません。

３、原因

喘息が起こる主な原因は、「アレルギー」です。喘息になる原因にはさまざまな説があります。その中でも、約半分はアレルギーが関与していると言われています。人の体には、外からの刺激や異物に対して体を守る機能が備わっていて、これを免疫反応といいます。アレルギー反応は免疫反応と似ていますが、関係する抗体の種類や細胞の違いなどから、免疫反応とは異なって体に病気を起こしてしまいます。このアレルギー反応が気管支で起こると、気管支喘息になります。

このアレルギーにいちばん関係が深いのが、lgE抗体とよばれるものです。lgE抗体は、外からの異物に対してそれをやっつけるためのものです。しかし、それが体に悪影響を及ぼすような反応を起こしてしまうことがあります。例えば、チリやほこり、ダニ、花粉など、通常なら体内に入ってきてもそれほど大きな影響を及ぼさないようなものにもlgE抗体をつくってしまい、過剰に防衛してしまうのです。そのため、さまざまな症状が現れます。

中医学では、咳は肺の機能が何らかの障害を受けたときに起こると考えています。肺の機能に障害を与える原因には、大きく分けて「肺寒」と「肺熱」があります。「肺寒」とは、体質的に冷え症であるとか、外から冷えや寒さを受けるなど、からだが冷えた状態になって発生する咳をいいます。症状は、分泌物がうすいのが特徴で、冷えると症状が悪化する傾向にあります。「肺熱」は、体質的に炎症をもちやすいとか、ウイルスや細菌の影響で肺が熱をもつ（炎症）ことによって起こる咳を指します。分泌物が粘っているのが特徴で、温まると症状が出やすくなります。

４、食養生で元気になろう

・咳を治める「銀杏の水煮」