香港ママの出産体験記
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バプティスト病院(九龍糖)での出産体験記
病院名: Baptist Hospital(いちおう私立)
ドクター: Dr.Sou (川崎の病院に勤務した経験があるらしく、挨拶程度の日本語を話す)
入院日数: 4泊5日(帝王切開の場合。普通分娩の場合は通常3泊4日)
費用 : 約9万香港ドル(セミプライベート、二人部屋*2012年2月の料金。ドクターフィー含む)
公用語 : 広東語、普通語、英語。
母子: 別室。定められた授乳時間のみ授乳部屋に行く
食事 : 院内のCafe de Coral から各自オーダー(持ち込みをオススメします)
予約金:6000ドル(返金なし)
それとは別に入院時に6000ドルのデポジットをはらいます(返金あり)
– パッケージに含まれているもの
- パジャマ
- 上着
- ショーツ
- 特大サニタリーナプキン
- プラスチック製のマグカップ
- 乳首保護クリーム
- デリケート部分用洗剤、おむつや赤ちゃん用ローションのサンプルやらもらえました。
– 持参するもの
- 洗面用具
- タオル
- スリッパ
- 母子ともに退院時の洋服
– 持って来てよかったもの
- ふたがきっちり閉まるストロー付きマグカップ
(帝王切開の場合は痛くて起き上がる事が困難なため) - ミネラルウォ-ター(病院はちょっとニオイがある湯冷ましなので)
- アイマスク、耳栓
– 必要なかったもの
- 母乳パッド
- 産褥ショーツ
- パジャマ
これは152センチの小さな体で4キロ近くの“それはそれは大きなベビちゃん”を身ごもり、帝王切開に挑んだ私の体験記です。
2012年2月14日。今から半年前の出来事ですが、日頃記憶喪失気味の頭にカツを入れ、できるだけ思い起こして書きました。
バプティスト病院でのご出産、帝王切開でのご出産をお考えの方のお役に立てれば幸いです。
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結婚2年目にして成立した初めての妊娠は、はかなくもわずか8週目で悲しい結末を迎えました。
その半年後に仕事を辞め、心身ともにリラックスし香港生活をエンジョイしていたそんな矢先に、また新しい命が天から舞い降りて来ました。
高齢出産という不安をよそに、お腹の子供は順調にすくすく育っていきました。
“標準よりかなり大きめですね”エコーの度に毎回言われました。予定日より4週早い36週の時点での推定体重は既に3200グラム。推定体重は間違ってる場合が多いよと日本のお友達に言われて半信半疑でしたが、今思うとかなり正確でした。
難産の可能性があると言われ、帝王切開もとりあえず予約。先に陣痛がきたら自然分娩で産むと決めていましたが、それより早く陣痛が来る事もなく日々せりだすお腹と背中の激痛、母の来港予定や主人の仕事も考慮し、結局帝王切開になりました。
DAY1: 自宅で夕食を終え、20時にチェックイン。以降は病院の指示に従い絶食。
DAY2: 手術当日。シャワーを浴び、準備に入る。排尿用のチューブを入れられたのが痛くて痛くて本当に辛かった。ベビーに会える楽しみだけを胸に身を任せるしかなかったけど、こわくて何かがアンカンファタブルで、体がガタガタ震えていた。背中からエピデュラルを注入したとたんふわっと楽になる。主人は白衣にキャップを被りそのまま私に付き添い、母は別室で待機。午前10時、手術スタート。半身麻酔が効いているので痛みはないが、ひっぱられているような感覚はある。ベベちゃんはなかなか出て来なくて、麻酔科医が手伝う。プッシュプッシュ。しばらく体を左右にゆらゆら揺らされたあと、突然産声が聞こえる。病院側が準備したポラロイドでぱちっと一枚記念撮影をした後、ベビーは処置の為にすぐ引き離される。夕方4時に水が許され、しばらくしてからおかゆが許される。友達に出産の報告をする。足の感覚が徐々に戻る。ペインキラーを2回程投与。主人が花束を持って来てくれた。今日はベビーちゃんに会えないけど、ママになったんだね、私。
DAY3:手術翌日。点滴が取れた!煩わしいチューブも取れた!授乳室でべべちゃんとご対面。朝青龍そっくり。。これ、本当に私の子かいな?
DAY4:とにかく眠る眠る。薬のせいかな。一日に何回かある授乳タイム。だけど、傷がいたくて動けなかった。
DAY5:家に帰れる、嬉しい、とにかく嬉しい!厳重なセキュリティチェックと会計、書類の受け取りを終えた後、やっとこ娘とご対面。めでたく退院。
2012年は縁起のいい辰年で香港島の病院は予約でいっぱいでした。出産ラッシュに関わらず空きがあり、当時住んでいた家から徒歩圏内、新内装、主治医がフレンドリーという理由でここの病院に決めましたが、静かな環境を好む方にはこの病院はおすすめできません。英語は思ったよりあまり通じないので広東語か中国語もできた方がいいです。
検診は主にセントラルのプライベートクリニックに通っていたので気がつきませんでしたが、いざ入院してみたら本土の妊婦さんだらけでした。
まず、婦人科の直通電話が通じないので予約や問い合わせは常にEメール。(後に主治医の携帯電話番号を教えてもらうことになります。)
そしてできると思っていたプライベートルームの予約は予定出産であっても不可というのが想定外でした。大家族でたくさんのスーツケースと共にやってきては大騒ぎし、真夜中にテレビを見たり、携帯電話でずっと話したり、エアコンを設定温度以下にしたり、ひどかったのはトイレでした。術後の傷を押さえながらやっとの思いでトイレにたどりつくと、シートや床にはしぶきや水たまりができて使えたもんじゃありません。ナースやドクターに言ってもあまり効果がなく、空き部屋がなかったため部屋の交換もできませんでした。本土の妊婦さん受け入れに対しての法律は2012年5月以降も主に公立病院ですが変わりましたし、このラッシュが落ち着けば自体は少し良くなるかも知れません。もしくは自分がたくましくなるかです。
それでも退院の時は“色々あったけどアナタも赤ちゃんも元気でね”と“本土のルームメイト”と握手して笑顔でお別れしたのでした。文化の違いはあっても子供の健康と幸せを願う新ママであることには変わりはありません。
病院のシステムや対応に関しては残念ながらネガティブな内容でしたが、今となってはそれも貴重な思い出です。何よりも無事に元気な赤ちゃんを出産できたので結果オーライでした。そしてこうしてみなさんとシェアすることもできました。自然分娩も帝王切開も命がけですが、出産は素晴らしいものです。出産を怖がらず、リラックスしてエンジョイしてください。
いとしい娘の寝顔を見ながら
2012年 8月末日