ドクター伊原のひとり言
伊原先生のプロファイル：
18歳で単身渡英。ロンドン大学医学部を卒業後、1988年にロンドン在住の邦人に対する診療を展開。英国家庭医療の黄金期にNHS制度の洗礼を受け、患者中心の24時間365日安心医療を志として診療にあたる。2017年、ロンドン医療センター香港診療所を開設。英国国営医療機構 医師免許選定委員、欧州日本人医師会元会長
COVID-19の予防接種plus
さあ、ついに香港でもCOVID-19の予防接種が始まります。三種類の予防接種が選べるという民主主義的な方法がとられるようです。三種類の予防接種につき香港の衛生局発表のポスターを簡略化し日本語に翻訳したものを下記に掲載します。
中国製のSinovac [CoronaVac]、ドイツ製のBioNTech [Comirnaty] と英国製のAstraZeneca[AZD1222]の三種類になります。
ロンドンの本院ではすでに予防接種を自発的に見合わせている従業員を除きすべての一回目の接種が終わりました。
これからのお話は伊原の独り言になります。科学的根拠はありません。まず大部分の従業員がBioNTechを受けました。一部の者が接種部位の腫れなどを報告してきました。
AstraZenecaは後発であったため、数人がAstraZenecaを受けました。まず接種前にParacetamol 500mg錠（一般的な鎮痛・解熱剤）の配給を受け接種前に服用し接種後も24-48時間程度連続服用を促されたそうです。服用後、24時間程度37.5-38C程度の熱が出たものが大半でした。英国ではSinovacを採用しませんでした。
色々なご意見がありますが、COVID-19の予防接種はどれでも接種可能なものを接種するべきであると伊原は思います。香港のように選択肢がある場合はご自分が納得できるものを選ぶことが大切だと思います。ここで一言、3種類の予防接種中で製造方法が一番従来のインフルエンザ予防接種等に近いのがSinovacです。他の2つは遺伝子工学を使ったエボラの予防接種のような新型の予防接種になり人類は今までこのような予防接種の経験はありません。
香港ではSinovacの接種が2月26日に始まり、BioNTechの優先接種の予約も3月3日からその接種は3月10日から始まります。ロンドン医療センター香港では全員BioNTechの接種を選択し3月10日には接種される予定です。その結果は次回お知らせします。
次は、最近脚光を浴びているVitamin Dです。その効果はCalcium代謝に欠かせないビタミンであることは皆さんもご存知だと思います。ところがこの頃色々な研究の結果vitamin DがインフルエンザやCOVID-19のようなウィルス性上気道感染症を防ぐということが実証され始めました。英国ではこの冬COVID -19罹患の際に重症化が予想される方々にvitamin Dが支給されました。またこの頃の生活習慣が室内中心となり日光に当たらなくなったため、世界人口の半数がvitamin D不足になっているのではないかといわれております。少なくともCOVID -19厳戒下の今12歳までの小児には400IU(10mcg)、大人は800IU(20mcg)程度を毎日補足していただくとウィルス性上気道感染症（一般にいう風邪）やインフルエンザ、COVID -19にかかりにくくなったり、かかってしまった場合でも重症化せずに済むというような研究発表がふえております。Vitamin Dの摂取は特別な場合を除き一日4000IUが安全だとされています。現在ロンドン医療センター香港では全員1000IU/dayを服用しております。Vitamin Dについてその他色々なことが研究発表され初めて折々を見てお話をさせていただきます。
マスク、手洗い、Social Distanceに心がけることよろしく願いいたします。
伊原鉄二郎
Mar 5, 2021
免責事項
1.当社は、本ウェブサイト上で情報を提供するにあたり、常に細⼼の注意を払っておりますが、提供した情報の正確性、安全性、適法性、最新性、有⽤性、特定⽬的への適合性等について、何ら保証するものではありません。不安な点については、直接医療機関にご相談ください。本ウェブサイトの情報を信頼した結果、ご利⽤者様に何等かの不利益や損害が発⽣した場合でも、当社は⼀切責任を負わないものとします。
