ちゅったんの香港おばば

スプーン事件


ちゅったんの香港おばば

マミーと私、ときどき愉快な親戚たち

C家に嫁いで18年。オットは男ばかりの5人兄弟の末っ子。実の娘のように可愛がってくれるマミーとの関係は良好。あまり親しくない人からは「香港おばばと同居大変でしょ」と同情されるけど、この異文化交流を楽しんでます。マミーのほうがよっほど気を遣っているようです。マミーは、(ときに度を越した)世話好きで、変なところに潔癖で、義理人情に厚く、せっかちで、記憶力がよく、歴史好きで、料理嫌いで、かなり頑固で、行動力のある人だ。男に生まれた方が幸せだったかもしれない。面倒見がいいので、80歳を超えても息子たちの家族のために世話を焼いている。そのせいで、うちの家族は兄たち家族のトラブルにいつも巻き込まれている。香港では家族の付き合いが濃いので、それもしょうがない。そんな日常のエピソードを、気まぐれに連載しています。

 


スプーン事件

コトの発端はスプーンだった。

ある日曜日、レストランで家族5人(マミーを含む)和やかに夕食を食べていた時、5歳の長女がスプーンを落とした。
夫が「拾いなさい」と言った時、娘は既にスプーンに手をかけていた。
そこへマミーが「拾っちゃダメ、やめなさい、後で私が拾ってあげるから」と言った。
夫の顔が見る見るこわばって来たので、何か厄介なことになりそうだな〜という予感が的中。見事、口論に発展。

夫 「拾いなさい」
マミー 「拾っちゃダメ、ばっちーからね」
夫 「自分で落としたんだから、自分で拾わなくっちゃダメだ」
娘は困惑しつつ、拾ってテーブルに置く。
マミー 「ほら、スプーンの先をつかむから手がばっちくなちゃったでしょ!」
夫 「手を洗えば済むことだろう!」
マミー 「外では家と違って、すぐに洗えないでしょ。私が拾ってあげてから、使ったスプーンは先じゃなくて柄をつかむのよって教えようと思ったに・・・」
夫 「たかがスプーンを拾うのに、ダメ、ダメって過保護すぎる!一生この子の面倒見る気なのか?」
マミー 「この子は責任感があって、自立心が強いから絶対大丈夫よ」
夫 「お祖母ちゃんが何でもやってくれるから、依存心が強い子になったらどうする!」
マミー 「それなら今後一切口出ししません!」
夫 「○ちゃんのせいで喧嘩してるんじゃないから安心して」

2人の応酬を呆然と見守るしかない娘と私。スプーン1本で険悪ムードむんむん。周りのお客さんも引いてるし・・・・。それにしても夫は大人気ない。マミーの潔癖かつワンマンは今に始まったことではない。時々、夫とマミーは激い親子喧嘩しては、冷戦状態になる。私にとってはどっちでもいいようなことで喧嘩している。お互い私に自分がいかに正しいか訴えてくるけど、私は中立を保っている。でもどちらかと言えば、マミーに肩入れしてるかな。マミーと一緒にいる時間のほうが多いし、何より家族のためにずーっと尽くしてきたマミーに老後ハッピーに暮らしてもらいたいからだ。

夫の問題にするのは、正論かどうか。理屈っぽいのだ、男はいつも。マミーが問題にするのは、マミーに対する態度。夫は言い たいことを喧嘩腰で言うから、マミーは息子に怒られてメンツをつぶされたと騒ぐ。夫はマミーと口論になるといつも論点がずれると言っている。分かっている なら、もっと穏やかに話せば分かり合えるかもしれないのに・・・。お互い「頑固頭!」とののしっているが、私に言わせれば、頑固なのは親譲り、同じ穴のムジナ。

その他にも喧嘩の火種があって、それは娘のピアノ問題。ピアノを買おうとしてるけど、誰がお金を払うか。マミーは私が買ってあげたい!夫は俺が買ってあげる!の平行線。この問題は来年に続く。

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