ちゅったんの香港おばば

人生のセンパイから学ぶこと


ちゅったんの香港おばば

マミーと私、ときどき愉快な親戚たち

C家に嫁いで18年。オットは男ばかりの5人兄弟の末っ子。実の娘のように可愛がってくれるマミーとの関係は良好。あまり親しくない人からは「香港おばばと同居大変でしょ」と同情されるけど、この異文化交流を楽しんでます。マミーのほうがよっほど気を遣っているようです。マミーは、(ときに度を越した)世話好きで、変なところに潔癖で、義理人情に厚く、せっかちで、記憶力がよく、歴史好きで、料理嫌いで、かなり頑固で、行動力のある人だ。男に生まれた方が幸せだったかもしれない。面倒見がいいので、80歳を超えても息子たちの家族のために世話を焼いている。そのせいで、うちの家族は兄たち家族のトラブルにいつも巻き込まれている。香港では家族の付き合いが濃いので、それもしょうがない。そんな日常のエピソードを、気まぐれに連載しています。

 


人生のセンパイから学ぶこと

        

マミー(姑)と母共に1936年生まれで今年83歳。違う国に、違う民族として生まれた二人ですが、第2次世界大戦中に少女時代を過ごし、共に幼少期に父親を亡くし、子どもの頃から家事や仕事の手伝いなど戦力として働いてきました。

二人とも人一倍頑張り屋で働き者、気力や根性の面で、共通するところが多いのです。そして一番の似ているのは、お金を増やすのが好きなこと。母は株はやらないけど、定期や貯蓄型保険を運用し、どこそこの何がお得情報にアンテナを張っている。マミーは少額でもお金は動かすことが大事と、国債とか銀行債とか定期とかの最新情報に目を光らせている。株式の番号やいくらになったら何株買うとか私には数字が多すぎて、私にはちんぷんかんぷん。とにかく二人ともお金を増やす話をしている時、生き生きとしていて勢いがあり、感心していしまいます。

子どもの頃から仕事にも家事にもバリバリやってきた二人ですが、やはて年齢年には勝てないものです。

母は80過ぎたあたりから、もともと悪かった膝の痛みが悪化、歩行するのに障害が出て来て、出歩かなくなり、去年の冬には「もうダメだ、私は長くない、入院できる病院を探す」と言い、かかりつけのクリニックで検査してもどこにも異常がないので、鬱だろうと年末に無理やり香港に連れて来ました。

パスポートはすでに失効していたので、急いで申請し2ヶ月近く香港に滞在し、旧正月も賑やかに過ごし、少し前向きになって帰国しました。その間に本人は頑なに拒んでいた介護サービスの申請をし、帰国と同時に認定などの手続きを済ませ、私が香港に戻った直後から介護サービスを受けられるになりました。

本人は嫌嫌だったものの、週2回のデイサービスに行き始めたら、その活動の内容や出会った人たちの話を電話で詳しく話すようになり、以前のように明るく前向きになってきました。そして、今回夏休みに一時帰国したら、背筋が伸び元気に若々しくなっていて驚きました。足の痛みがあるものの、歩く様子もしっかりしています。どうやらデイサービスでの運動器具を使っての筋力トレーニングが着実に効いているようで、筋肉で体を支えられるようになっていました。

コツコツ型の母は、言われたトレーニング内容をしっかりとこなし、足を少しでも治したい、また友達と温泉に行きたい、とはっきりした目標を持っています。数ヶ月前とは比べものにならないくらい元気な姿を見て、目標を持って何かを続けることで何歳になっても成長できることを教えられました。

マミーも70歳手前でガンの手術を受け、術後の1年は鬱症状がひどかったものの、立ち直り毎日を丁寧に暮らしています。そしてはっきり言葉に出すことはありませんが、5年ほど前から人生の仕舞い支度をしているのかな、と感じることが多くなりました。消耗品以外は買わない、息子や嫁から贈られた物は贈り主に返す、最小限の物で丁寧に暮らすミニマルライフ送っています。そして、思い立ったことはその時すぐにやる、その瞬間を大事にし、悔いなく生きる姿が尊いなと思います。

老いることは体の自由が利かなくなり、不安や孤独、辛いこともあるだろうけど、現状を受け入れ、その上でしっかり自分の人生を送るセンパイのに勇気をもらっています。何歳からでも成長できる、その時どきの変化を受け入れつつ自分らしく生きる、そんな人生のセンパイが身近にいることはとても幸せなことだと感謝しています。まだまだ長生きしてください、センパイ。

人生のセンパイから学ぶこと旧正月に香港で。(左)マミー(右)母。

人生のセンパイから学ぶこと麻雀を楽しむ母(右)アドバイス中のマミー(左)

Aug 8, 2019

    

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