ちゅったんの香港おばば

名付け ①


ちゅったんの香港おばば

マミーと私、ときどき愉快な親戚たち

C家に嫁いで18年。オットは男ばかりの5人兄弟の末っ子。実の娘のように可愛がってくれるマミーとの関係は良好。あまり親しくない人からは「香港おばばと同居大変でしょ」と同情されるけど、この異文化交流を楽しんでます。マミーのほうがよっほど気を遣っているようです。マミーは、(ときに度を越した)世話好きで、変なところに潔癖で、義理人情に厚く、せっかちで、記憶力がよく、歴史好きで、料理嫌いで、かなり頑固で、行動力のある人だ。男に生まれた方が幸せだったかもしれない。面倒見がいいので、80歳を超えても息子たちの家族のために世話を焼いている。そのせいで、うちの家族は兄たち家族のトラブルにいつも巻き込まれている。香港では家族の付き合いが濃いので、それもしょうがない。そんな日常のエピソードを、気まぐれに連載しています。

 


名付け ①

小さい頃、私の名前の由来を母に聞いたら、
「次は男の子だと思ってて全然考えてなくて、お姉ちゃんの時にパパが考えた2番目にいいと思った名前にした」
え~っ、結構テキトー。
それにもうちょっと違う言い方はないのか?!
友達は素直な子に育って欲しいから直子とか、大きな志で大志とか、それぞれ名前に意味が込められている。
傷つきはしなかったけど、微妙な気持ちになったのは確か。
その2番目にいい名前も意味はそれなりにいいけど、父がその漢字に決めたのは字面がいいからだそう。
そんな夢もロマンもない両親の元で育ったので、私もあまり子どもには大きな期待をかけず、もちろん名付けにも思い入れがなく、シンプルで読みやすい字がいいな~ぐらいにしか考えてなかったけど、一生呼ばれ続ける名前を決めるのは簡単ではありません。

日本だと生まれる前に名前を大体決めておく両親もいますよね。
香港だと生まれる前から決めている親は少数派。
なぜなら風水で生年月日と生まれた時間(2時間刻み、子の刻とか丑の刻とか)を八字というのですが、八字を見て名前を決めるのです。
逆にいい八字の出産日を選んで帝王切開する人も珍しくはありません。
オットの一つ上の兄が気功・風水を勉強していて玄人はだし。
C家で子どもが生まれるとこの兄を無視して勝手に名前を決められないような雰囲気です。
私は半信半疑だけど、長女が生まれたら兄にアドバイスしてもらおうと思ってました。
長女の出産予定日は2003年7月。
出産は香港でと決めていたのに、2003年の3月SARSが発生。
思い悩んだ末、日本へ帰って出産することに。
香港に残されたオットやマミー、親戚のことを思うと気が晴れない中、7月に青森で出産。
日本は2週間以内に出生届けを出さなくてはいけないので、生まれた日と時間を兄に知らせ指示を待つ。
オットも出産に立ち合って欲しかったけど、まだSARSが落ち着かない時に入国しても迷惑がられるだけなので香港にいてもらいました。
7日後退院してから本腰を入れて名前選び。
兄のアドバイスは、草かんむりで12画、金へんで13画の漢字を組み合わせること。
オットが50個以上の組み合わせの名前のリストをファックスしてきて、私が読めるのが一組だけだった。。。。
上手い具合にその一組が日本語で読んでも中国語で読んでも違和感がない読み方だったので、すんなり決定。
中国読みでも日本語読みでもOKな名前って難しそうと思ってたけど、案外簡単だったな~と拍子抜け。
オットは辞書を片手にいろんな漢字を組み合わせて頭を使ったみたいだけど。。。
私の母もその名前が気に入り「パパがすてきな名前に選んでくれてよかったね」と大喜び。
名無しで呼ばれていた赤ちゃんを名前で呼べるって、何とも嬉しいものだと思った瞬間でした。
この時は将来次女の名付けで苦労するとは夢にも思ってなかったのでした。つづく。

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