ちゅったんの香港おばば
マミーと私、ときどき愉快な親戚たち
C家に嫁いで18年。オットは男ばかりの5人兄弟の末っ子。実の娘のように可愛がってくれるマミーとの関係は良好。あまり親しくない人からは「香港おばばと同居大変でしょ」と同情されるけど、この異文化交流を楽しんでます。マミーのほうがよっほど気を遣っているようです。マミーは、(ときに度を越した)世話好きで、変なところに潔癖で、義理人情に厚く、せっかちで、記憶力がよく、歴史好きで、料理嫌いで、かなり頑固で、行動力のある人だ。男に生まれた方が幸せだったかもしれない。面倒見がいいので、80歳を超えても息子たちの家族のために世話を焼いている。そのせいで、うちの家族は兄たち家族のトラブルにいつも巻き込まれている。香港では家族の付き合いが濃いので、それもしょうがない。そんな日常のエピソードを、気まぐれに連載しています。
水瓶の贈り物
香港人は一般にチャリティに関心が高い。
慈善団体に寄付した分は税金が控除されるから?
でも、街頭でやってる募金は、ニセモノもあるってマミーが言うんで、聞いたことがある団体にだけ募金することにしている。
今日、マミーに手紙が届いて、「ハロー???、何だ英語か・・・、あっこの子は中国人じゃないんだった。」
学資支援してる子供が、アフリカに1人、中国の農村に1人いて、毎年手紙や成績表が送られてくる。
オットも中国の農村の男の子を学資支援している。
いつか娘達を連れてその子を訪ねたいと言っているけど、根っからの都会っ子のオットは、「トイレは水洗じゃないだろうし、シャワーもなさそう、泊まるところは?」と弱気なので、実現の見込みはなさそう。
これ以外にも、各地で天災がある度、チャリティイベント毎に律儀に寄付するので、赤や茶色のお札はまだしも、オレンジが出て行くと、オットの小遣いだから彼の勝手だけど、「そのお金を私にくれたら・・・」と思ってしまう。
私も困っている人たちに何かしてあげたいと思うけど、お金だけが支援じゃないだろうと思いつつ、何もしていない。
はっきり言って消極的。
でも、今回初めて、これはやってみたいと思った寄付があった。
マミーの仏教友達(時々精進料理を食べに行く)が、中国の内陸部の水道がない家庭に井戸をプレゼントするというNPOに寄付したという話を聞いて、「私も一口乗った」と申し込みフォームを取り寄せる。
1,950HK$で井戸1つ。
井戸の蓋にはその人の名前が書かれます。
水に関する贈り物なんて、何かロマンだな~なんて単純な理由で決めてしまった。
送られてきた申し込み用紙と一緒に数年前に放送されたTV番組のDVDも入っていた。
想像以上に過酷な環境で、水汲みの仕事は大抵が子供。
毎日水汲みに費やす時間と労力。
重い水桶を担ぐのと不純物が多い水のせいで感染症や背が伸びないことが共通している。
贈られるのは、実は井戸ではなく、雨水を貯めるシェルターみたいな物を地下に作るらしい。
井戸じゃないのはちょっとがっかりだけど、同じような物だろう。
マミーも一口寄付。
でも「蓋に自分の名前がつくのは嫌!」とシリアルナンバーを希望。
私のはオットが「ばあちゃん(私の母)にしたら?」と言うのでそうする。
いつできるか分からないけど、その水瓶は「幸子」って呼ばれることになる。