ちゅったんの香港おばば
マミーと私、ときどき愉快な親戚たち
C家に嫁いで18年。オットは男ばかりの5人兄弟の末っ子。実の娘のように可愛がってくれるマミーとの関係は良好。あまり親しくない人からは「香港おばばと同居大変でしょ」と同情されるけど、この異文化交流を楽しんでます。マミーのほうがよっほど気を遣っているようです。マミーは、(ときに度を越した)世話好きで、変なところに潔癖で、義理人情に厚く、せっかちで、記憶力がよく、歴史好きで、料理嫌いで、かなり頑固で、行動力のある人だ。男に生まれた方が幸せだったかもしれない。面倒見がいいので、80歳を超えても息子たちの家族のために世話を焼いている。そのせいで、うちの家族は兄たち家族のトラブルにいつも巻き込まれている。香港では家族の付き合いが濃いので、それもしょうがない。そんな日常のエピソードを、気まぐれに連載しています。
津軽弁と広東語
私にとっての母語は津軽弁。次は標準語、その次が広東語、そして普通話(標準中国語)、それでもって少し距離を置いて英語、の順だ。
津軽弁には津軽弁でしか言い表せない表現がたくさんある。
例えば、
– あずましい(環境、空間が心地よく快適だ)
– かちゃくちゃね(イライラ、むしゃくしゃする)
– はんかくせー(ばか、アホ)
– わいは(驚いた時、呆れた時に使う感嘆)
– どんだんず(一体どうなってるの?どうしてくれるの?)
– あじる(恋しい、気に掛かる)
– あめる(腐る)
– いだわしい(もったいない、惜しい)
– あこもこ(悪口、陰口)
– ちょす(いじる)
– かでる(子どもや老人を世話する)
少し無理して標準語に訳しているけど、しっくり来きている訳ではない。
それがどうだろう、広東語の方がニュアンスが近いのだ。
– あずましい → 舒服 しゅうふぉっ
– かちゃくちゃね → 好悶 ほうむん
– はんかくせー → 痴線 ちーしん
– わいは → 哎呀 あいあー
– どんだんず → 搞錯啊 がうちょーあー
– あじる → 掛住 ぐわーじゅー
– いだわしい → 唔捨得 んせーだっ
– あこもこ → 是非 しーふぇー
– ちょす(いじる)→ 搞 がう
– かでる → 湊 ちゃう
方言の方が状況がより限定されて、イメージやすいんだろうか。
そんな訳で広東語は他の言語より親しみを感るし、今後どこに住んでも香港は私のふるさとだと言い切ることができる。