ちゅったんの香港おばば

ご先祖様のお陰です


ちゅったんの香港おばば

マミーと私、ときどき愉快な親戚たち

C家に嫁いで18年。オットは男ばかりの5人兄弟の末っ子。実の娘のように可愛がってくれるマミーとの関係は良好。あまり親しくない人からは「香港おばばと同居大変でしょ」と同情されるけど、この異文化交流を楽しんでます。マミーのほうがよっほど気を遣っているようです。マミーは、(ときに度を越した)世話好きで、変なところに潔癖で、義理人情に厚く、せっかちで、記憶力がよく、歴史好きで、料理嫌いで、かなり頑固で、行動力のある人だ。男に生まれた方が幸せだったかもしれない。面倒見がいいので、80歳を超えても息子たちの家族のために世話を焼いている。そのせいで、うちの家族は兄たち家族のトラブルにいつも巻き込まれている。香港では家族の付き合いが濃いので、それもしょうがない。そんな日常のエピソードを、気まぐれに連載しています。

 


ご先祖様のお陰です

マミーの昔話が始まると、何十回と聞いているけど「もう聞き飽きた!」と言えないのがツライ。
昔話の中には、迷信がかってると言うか不思議なエピソードがいくつもある。
そのひとつが、「良いご先祖様」と「悪いご先祖様」。

長男が6歳の時、マミーが内職してると、外から「男の子が車にひかれたー」と叫び声がして、ハッとしてマンションの下に下りると、長男が腰を抜かして地面にしゃがみこんでいた。
目撃者の話によると、歩道で遊んでいたところにタクシーが乗り上げてきて足を上をズズーッとひいたそうだ。
問題のタクシーの運転手もその場にいて、「今日が免許を取って初仕事なんです」と平謝り。
普通なら足の甲を骨折するはずだけど、自分で歩けるし、通報で駆けつけた警官が病院まで付き添ってレントゲンを撮っても異常なし。
靴にも生なましいタイヤの跡が残ってたにも関わらず、後遺症も一切なし。
私は、マミーが大げさに言ってるんじゃない?と思って、ある時一番上の義兄に聞くと「タクシーが一旦建物にぶつかって、そのままスリップして足の上を走って行った」「びっくりしたけど、ケガはしなかった」とマミーの話に間違いない。
ウソのようなホントの話。
マミー曰く、これもひとえに「ご先祖様のお陰」だそうだ。

二番目の息子も中学生の時、ササクレから破傷風になりかけて危うく命を落としそうになっても助かったし、三番目の息子の話が摩訶不思議。

それまで病気一つしたことがなかったのに20代で突然リンパ癌にかかって、通常の放射線や化学療法の他に、藁にもすがる思いで広州にいる気功みたいなハンドパワーのある先生に治してもらう。
その広州での治療というのが、全部の骨や臓器をバラバラにして正しく入れ直したんだそう。もちろん意識の上でですよね。不思議~。
でも、村上春樹の「海辺のカフカ」の中で不思議な力をもつ老人が腕を背中にグリグリ入れて背骨の位置を正しく直すシーンが書かれていて、珍しいことじゃないんだ~と変に納得。
おまけに、スピリチュアルカウンセラーみたいな色々見えちゃう先生には「この病気は誰かの恨みをかって、呪いをかけられたんだね。呪いを解いてバリアをかけておいたから、またその人が呪いをかけると本人に跳ね返ってくるよ」
何ともSFな世界。
結果的には再発もなく、これまた「ご先祖様のお陰」なのだそう。

マミーに曰く、これは嫁ぎ先のC家のご先祖様が故郷の村に寄付したり、橋を造ったりして徳を積んできたから、子孫にもたらされる福なのだそうだ。
細木数子先生もご先祖様の話してたな~。
じゃあ、良いご先祖様C家に嫁いで私はラッキー?
でも、C家の血統ではないからダメか?
しかし、C家の血を受け継ぐ娘たちには恩恵があるから、やっぱりラッキーだ。
私は占いでも自分に都合のいいのだけ信じるタイプ。
要するにオットと結婚したのは間違いないのだ(強引な結論)。

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