ちゅったんの香港おばば
マミーと私、ときどき愉快な親戚たち
C家に嫁いで18年。オットは男ばかりの5人兄弟の末っ子。実の娘のように可愛がってくれるマミーとの関係は良好。あまり親しくない人からは「香港おばばと同居大変でしょ」と同情されるけど、この異文化交流を楽しんでます。マミーのほうがよっほど気を遣っているようです。マミーは、(ときに度を越した)世話好きで、変なところに潔癖で、義理人情に厚く、せっかちで、記憶力がよく、歴史好きで、料理嫌いで、かなり頑固で、行動力のある人だ。男に生まれた方が幸せだったかもしれない。面倒見がいいので、80歳を超えても息子たちの家族のために世話を焼いている。そのせいで、うちの家族は兄たち家族のトラブルにいつも巻き込まれている。香港では家族の付き合いが濃いので、それもしょうがない。そんな日常のエピソードを、気まぐれに連載しています。
私の王子様
おばばと愉快な仲間たち、まずまず元気です。
今回は、王子様、私のオットの話です。
ここ2年ほど仕事が立て込み、いままで私が担当していた家事も手が回らないことが多くなり、パートタイムでもいのでメイドさんが欲しいとオットに相談したところ、メイドさんが家に来るのは嫌とのことでオットが引き受けることになりました。
皿洗い、ゴミ捨て、掃除機、洗濯物が溜まったら洗濯する・畳む、おかず以外の生活用品の買い物など、進んで担当してくれました。以前はほとんど私がやっていたことなので、ありがたいことです。
そんなある日、料理の撮影の後、友達と食事することになっていて、予定どおりいけば一旦家に帰って荷物(スーツケース)を置くことができるはずでした。
その日に限って機材の不調でスタートが遅れ、時間オーバー、家に帰る時間がなくなってしまい、オットに会社帰りに寄ってもらい、荷物を持ち帰ってもらうことにしました。快くオッケーしてくれたのに、荷物を手渡すと、「え?一緒に帰るんじゃないの?」と不満気味。
あっ、この後食事に行くってことを言い忘れた。
毎週、撮影の日はマミーが次女のお迎えや食事のことを面倒見てくれるので、マミーや子どもたちには細かい申し送りをしている。オットへの連絡がいつも後回しになっていて、その点は反省。
その後、長女から電話があり、「パパ、チョー不機嫌なんだけど。。。荷物持たせて自分は遊びに行っちゃうから、『オレは召使いかっ!』って怒ってるよ。でもマーマー(お祖母ちゃん)が『五嫂(5番目の嫁)は忙しいんだから、それぐらい協力しなさいよっ!』って説教してる」
マミーはいつも私の味方で、非常に心強い。だけど、オットが不機嫌なのは面倒だな〜
その日の食事会で、オットが不機嫌で憂鬱と話したら、フランス人の旦那様をもつ友人が「そんな時はね、『あなたは私のナイト(騎士)、私を守ってね、いつも感謝してるわ』って言ったらいいの」というアドバイスが。目はうっとり相手を見つめる必要もあり。ナイトって言ったら夜?言われそうだから、王子にしてみる。
家に帰ってさっそく伝授された魔法の言葉で「あなたは私の王子(ウォンジー)、いつも守ってくれてありがとう。」と言うと、王子と同じ発音の「黄紙(ウォンジー)?」と言いながら顔は笑ってるので、照れ隠しらしい。そこでお友達からもらったアドバイスの種明かしをすると、「僕はイエローペーパーです。」とまんざらでもなさそう。
一度旦那様を王子、ナイト、スーパーマン?どれでもいいですが、呼んでみてください。ご機嫌とっているのがミエミエですが、意外と喜んでくれます。やってもらって当たり前と思いがちなことも、あなたがいるからこの暮らしが守れているのね、とこちらも謙虚な気持ちになれるから不思議です。是非お試しあれ。
次回は王子の母上のお話です。
本日の広東語
王子、黄紙 ウォンジー