ちゅったんの香港おばば
マミーと私、ときどき愉快な親戚たち
C家に嫁いで18年。オットは男ばかりの5人兄弟の末っ子。実の娘のように可愛がってくれるマミーとの関係は良好。あまり親しくない人からは「香港おばばと同居大変でしょ」と同情されるけど、この異文化交流を楽しんでます。マミーのほうがよっほど気を遣っているようです。マミーは、(ときに度を越した)世話好きで、変なところに潔癖で、義理人情に厚く、せっかちで、記憶力がよく、歴史好きで、料理嫌いで、かなり頑固で、行動力のある人だ。男に生まれた方が幸せだったかもしれない。面倒見がいいので、80歳を超えても息子たちの家族のために世話を焼いている。そのせいで、うちの家族は兄たち家族のトラブルにいつも巻き込まれている。香港では家族の付き合いが濃いので、それもしょうがない。そんな日常のエピソードを、気まぐれに連載しています。
茶渋だらけのティーポット
私から見れば、マミーは潔癖症。
いつも一言多い長男の嫁が多分褒めてるつもりで「マミーはコ*潔癖だから」と言ったら、「私はきれい好きだけど、ケッペキじゃない!」と怒ったことがあった。
「ケッペキ」はNGワードだったんですね。
私のように広東語が不自由なせいで口数が少ないのも時には悪くないです。
言葉足らずで自分の思いもよらない展開になることも多々ありますが・・・・。
その「きれい好き」のマミーなのに、なぜか彼女のティーポットは真っ茶色!
マミーは自宅ではお茶を飲まないので、神棚(こっちの神様ね)に備えるお茶専用のティーポット。
少ししか注がないので、余った分はそのまま次に入れるときまで放置。
ご飯を食べ終わるないなやお茶碗を洗わないと気がすまない人なのに、なぜティーポットはそのままなのか?
長年の疑問だった。
ま、聞けばすむことなんだけど、長年の習慣で自分のテリトリー外のことは干渉しないと決めている。
私には自分用のティーポットあるし。
そっちは汚れが気になればクエン酸で漬け置き洗い。
マミーのやつも最初は洗ってあげたけど、褒め上手おだて上手なマミーが洗ってあげても何もリアクションがなかったので、きっと訳があるんだろうと。
その謎がつい最近解けました。
マミーが犬の世話で出張中の3番目の兄の家にいる時、ちょうど年始挨拶で親戚揃っていた。
「ティーポットがいっぱいあるんだけど、どれを使っていいかわからないからお茶は省略ね」
3兄の道楽の一つは、焼き物、陶器の収集。
作家もののティーポットもたくさんあって、それで一服するのが趣味なはず。
マミーによると、お茶っ葉別にティーポットも決まってるんだそうだ。
その一言でガッテン。
そういえば、むか~し中国茶のお店のオーナーが自慢の100年もののティーポットを見せてくれた。
ウーロン茶(鉄観音だったかも)の香りが染み込んで、お湯だけでもお茶の味がすると誇らしげだった。
中国茶の素養がない私には、ただの小汚い、古ぼけたティーポットにしか見えなかったけど・・・。
中国人は香りを移すために同じ種類のお茶を入れ続け、時には上からお茶をかけたりして、自分仕様のティーポットに育てて可愛がるらしい。
だから茶渋はとってはいけないものだったんだね~。
マミーもせっせと茶渋を育てて、いい茶器にするためにお茶を入れっぱなしだったんだ~。
でも、私はやっぱり茶渋は嫌だ。
☆ 今日の広東語 ☆
*潔癖(けっぺき)・・・潔癖(ギッペッ)