ちゅったんの香港おばば

お守り


ちゅったんの香港おばば

マミーと私、ときどき愉快な親戚たち

C家に嫁いで18年。オットは男ばかりの5人兄弟の末っ子。実の娘のように可愛がってくれるマミーとの関係は良好。あまり親しくない人からは「香港おばばと同居大変でしょ」と同情されるけど、この異文化交流を楽しんでます。マミーのほうがよっほど気を遣っているようです。マミーは、(ときに度を越した)世話好きで、変なところに潔癖で、義理人情に厚く、せっかちで、記憶力がよく、歴史好きで、料理嫌いで、かなり頑固で、行動力のある人だ。男に生まれた方が幸せだったかもしれない。面倒見がいいので、80歳を超えても息子たちの家族のために世話を焼いている。そのせいで、うちの家族は兄たち家族のトラブルにいつも巻き込まれている。香港では家族の付き合いが濃いので、それもしょうがない。そんな日常のエピソードを、気まぐれに連載しています。

 


お守り

私はアクセサリーが好きで、特にピアスはちょこちょこと買い集めて、数はたくさん持っている。

指輪やネックレス、ブレスレットは母やマミーからのお下がりや買ってもらった物が多い。

ハイブランドのアクセサリー、カタログやショーウィンドウを眺めるのも好きだけど、買うことはほとんどない。

実は、母やマミーからもらった物で満足していて、何かしら一つは身につけると安心感がある。お守りのように愛用している。

マミーからもらった物でほとんど毎日つけるのは腕時計。30年ぐらい前に息子の一人が結婚する時に買ったセイコーの14金コーティングの時計だそう。もらう物だから、自分の好みとは違うこともあるけど、身につけているうちに不思議と馴染んでくる。

あとはマミーからもらった翡翠の指輪も好き。こじんまりした翡翠で、指輪も細くてきゃしゃ。つけていても気にならない控えめな感じがいい。

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母からもたくさんもらっているけど、最初は私の趣味じゃないから一度は辞退した物で、微妙に色が違う淡水が8つついたブローチ。母曰く、同じ服でもブローチを換えるだけで印象が変わるし、ブローチをつけることでフォーマル度が上がるから、とにかく持って行きなさいと言うので、もらっておいた。母の言う通り、手持ちのジャケットにパールのブローチをつけるだけで、少し改まった装いになる。就職祝いで買ってもらった真珠のネックレスとピアスも随分役に立った。

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マミーもアクセサリーが大好きだけど、つけずに時々眺める専門。10年ぐらい前から片見分けを始めていて、それぞれのお嫁さんたたちにも分けていた。私がハイジュエリーじゃないアクセサリーも楽しんでつけているので、高くはないけどお気に入りの物を色々くれた。それを買った時にもエピソードも話してくれる。前出の翡翠の指輪は、マミーが懇意にしていた貴金属店で何かの世話をしたら、お礼にその店のオーナーが自分でつけていた指輪をくれたそうだ。

そして、唯一今亡きダメ夫におねだりして買ってもらった台湾産のサンゴのブローチも形見分けでもらった。もう物には固執しない、めぼしい物は家族に分けてしまい、今は必要最小限まで減らした物の中で暮らす究極のミニマルライフを送っている。

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とにかく、母やマミーから受け継いだ物を身につけるとあったかい気持ちになる。オットからのプレゼントや友達からのお土産のアクセサリーをつけるのも好きで、しばらく会っていない友達を思い出しながら使っている。商品自体が素晴しく価値のある物はもちろん素敵だけど、私にとってはたとえ市場価値は高くなくても背景に想いや人柄や物語のある物から力をもらえる。

Mar 5, 2021

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