ちゅったんの香港おばば
マミーと私、ときどき愉快な親戚たち
C家に嫁いで18年。オットは男ばかりの5人兄弟の末っ子。実の娘のように可愛がってくれるマミーとの関係は良好。あまり親しくない人からは「香港おばばと同居大変でしょ」と同情されるけど、この異文化交流を楽しんでます。マミーのほうがよっほど気を遣っているようです。マミーは、(ときに度を越した)世話好きで、変なところに潔癖で、義理人情に厚く、せっかちで、記憶力がよく、歴史好きで、料理嫌いで、かなり頑固で、行動力のある人だ。男に生まれた方が幸せだったかもしれない。面倒見がいいので、80歳を超えても息子たちの家族のために世話を焼いている。そのせいで、うちの家族は兄たち家族のトラブルにいつも巻き込まれている。香港では家族の付き合いが濃いので、それもしょうがない。そんな日常のエピソードを、気まぐれに連載しています。
しょっぱい白玉
マミーは食べることは大好きだけど、料理を作るのはそれほど興味がない。
それでも子育て時代は5人の息子のために義務で料理を作ってきて、リタイアした今は自分のためにはとにかくシンプルな料理に徹している。
マミーが若かりし頃、同居していた義理ママが料理上手で伝統料理をいろいろ作っていたそうだ。例えば、端午節の粽ももちろん手作りで、親戚に配る分を山のように徹夜で作って、クーラーもなかった時代にエンドレスで粽を茹でまくって、それを配り歩く、嫁のマミーにとっては季節の行事は憂鬱でしかない、トラウマがあるみたい。それに同郷出身ではないからという理由で、随分いびられたみたいで、「将来姑になったら絶対に嫁いびりはしない」と誓ったのだそうだ。
料理の話に戻すと、そんな嫁姑関係でも、「あの時料理習っておけばよかったな、あの『しょっぱい白玉』がまだ食べたい。」と時々懐かしそうに話す。「しょっぱい白玉」って何だろう?オットに「しょっぱい白玉」ってどんな味?って聞いたら、「白玉に塩味がついてるだけだよ、あれ嫌いだったな。」とバッサリ言うではないか。でも、マミーがあんなに恋しがる味なのだから、作って再現してあげたい。私の妄想では、薄ーい白玉の皮に餃子のような餡が入っていて噛むとジュワーっと肉と野菜の旨味が溢れる、スープには細切りの野菜や椎茸など彩よく、ゆるいとろみがある感じ。
オットにもう少し説明を求めると、スープはそんな感じで、白玉には中身はなく飽きる味で一碗食べきるのに難儀したそう。そんなに気になるなら2番目の兄なら、おばあちゃんのお気に入りで手伝いもしてたから、レシピ知ってるかもよ、と言うので、明日早速聞いてみよう。
Jan 7, 2021