ちゅったんの香港おばば
マミーと私、ときどき愉快な親戚たち
C家に嫁いで18年。オットは男ばかりの5人兄弟の末っ子。実の娘のように可愛がってくれるマミーとの関係は良好。あまり親しくない人からは「香港おばばと同居大変でしょ」と同情されるけど、この異文化交流を楽しんでます。マミーのほうがよっほど気を遣っているようです。マミーは、(ときに度を越した)世話好きで、変なところに潔癖で、義理人情に厚く、せっかちで、記憶力がよく、歴史好きで、料理嫌いで、かなり頑固で、行動力のある人だ。男に生まれた方が幸せだったかもしれない。面倒見がいいので、80歳を超えても息子たちの家族のために世話を焼いている。そのせいで、うちの家族は兄たち家族のトラブルにいつも巻き込まれている。香港では家族の付き合いが濃いので、それもしょうがない。そんな日常のエピソードを、気まぐれに連載しています。
華麗なる脇役たち
私たちはそれぞれの人生のドラマの主役を張っているけど、私のドラマの脇役たち、マミーを筆頭に義理兄たちも、脇に置けないほどの存在感を放ってる。
このコラムのタイトルは「香港おばば」なので、マミーのネタが多いけど、3番目の義理兄もなかなか登場率。この義理兄が性格的にはマミーに一番似ていいて、会うと「人の話を聞きなさい」とお互い黙らせようとして、ぶつかってしまう。
クリエイターの義理兄は、感性の人。とにかく独自の美観にこだわる。身近なところに、美しくないもの、醜いものが目に入るのを嫌う。この前、市販のケーキを勧めると、「このパッケージはなんだっ、なんでこんなデザインなんだっ」とイラつく。
確かにごちゃごちゃした写真、情報だけど、珍しいフレーバーだし、食べて美味しかったし、私はダサさより味かな。
「ここの社長、知り合い?お金いらないから、パッケージデザインしてあげるって言って」
そこまでして、このデザインを葬りたいの?
ツテを頼れば社長にたどり着くけど、どうしましょう。
自分が良いと思ったら、損得勘定なしで「私(オレ)に任せろ」と突き進んでしまうところとか、マミーにそっくり。それを指摘すると本人たちは
「一緒にするな、あんなに頑固じゃない」
と否定する言葉までそっくりなのでした。
Jan 11, 2021