ちゅったんの香港おばば

入学初日の流儀


ちゅったんの香港おばば

マミーと私、ときどき愉快な親戚たち

C家に嫁いで18年。オットは男ばかりの5人兄弟の末っ子。実の娘のように可愛がってくれるマミーとの関係は良好。あまり親しくない人からは「香港おばばと同居大変でしょ」と同情されるけど、この異文化交流を楽しんでます。マミーのほうがよっほど気を遣っているようです。マミーは、(ときに度を越した)世話好きで、変なところに潔癖で、義理人情に厚く、せっかちで、記憶力がよく、歴史好きで、料理嫌いで、かなり頑固で、行動力のある人だ。男に生まれた方が幸せだったかもしれない。面倒見がいいので、80歳を超えても息子たちの家族のために世話を焼いている。そのせいで、うちの家族は兄たち家族のトラブルにいつも巻き込まれている。香港では家族の付き合いが濃いので、それもしょうがない。そんな日常のエピソードを、気まぐれに連載しています。

 


入学初日の流儀

長女大Sは9月から中6(高3)になり、香港の大学入試の日本語試験が今月から始まる。スピーキングの質問候補に、「今年の身近なビックニュース」があるそうで、もしそれが聞かれたら大Sにとってのニュースは妹が同じ中学(6年制)に入学したこと!と答えるそうだ。

コロナ禍で新学期のスタートはオンライン授業で、9月23日から大小Sの登校再開になり、前日に大Sはパパから
「入学初日は小Sの教室に行って、さりげなく他の人に聞こえるように『困ったことがあったら相談しなさい、いじめる人はいない?』って姉として言ってあげなさい。」
と言われ「そんなことするの絶対ヤダ〜」と拒否する。
でも、翌日テーブルの上に小S宛ての手紙があった。きっと中身は中学生活を激励する内容だったのではないかと思われる。

オットが大Sに教室を覗きに行けというのは、自分が小1になった時、同じ学校だった4番目の兄が入学初日に教室に来て、「何かあったら俺に言えよ」と言われて嬉しかった経験からだそうだ。大Sは最高学年の中6、そんな姉がいることをクラスメートに知らしめ小Sがいじめられないよう予防線を張ろうという親心?一方、大Sは小6の時にお世話役で小1をサポートしていた経験から「今時の1年生は先輩を怖がらないし、遠慮しないよ。パパの頃とは違うの。それに年上だからって威張るはカッコ悪い。別の学年の教室に行くのもヤダっ。」

そして迎えた登校初日。小Sはスクールバスに乗り、大Sは公共のバスで別々に登校で、スクールバスは40分も早く家を出ることになる。その日は体育があるとかでいきなり体操着を着ていた小S。あれ?この学校は体育の日でも運動着での登下校は禁止されているのにおかしいな。小Sに聞いたらコロナ禍で更衣室での着替えもリスクになるので運動着での登校が認められたという。半袖に短パン姿の小Sを見て、大Sが「登下校は長ズボン履かないとダメなんだよ。それに今日の体育は制服のままだよ、早く着替えなさい。」とアドバイスしても、スクールバスに間に合わないからとそのまま飛び出して行った。
大Sが「あーあ、短パンだと入り口で生徒指導に呼ばれて厳重な注意を受けてヤバいことになる」というので、急いで長ズボンを持ってバスストップまで走ったが、バスは走り去った後だった。それでも大Sはまだ家にいたので、ズボン持っていってと頼むと渋々引き受けた。

下校後、今日どうだった?と聞くと、大Sと小Sは学年は違うけど時間割が同じサイクルで、偶然にも体育の先生も同じだったのです。その体育の先生が「今日新入生で一人短パン履いて登校してきた子がいたのよ、全く。。。」と大Sの妹と知らずに先生が文句を言っていて、穴があったら入りたかったそう。小Sは短パン娘と悪い意味で目立ってしまったのだ。本人はあまり気にしていないが、姉は友達に短パン娘が妹と知られないように他人のように振る舞っている。

姉妹で同じ学校なのは、親としては楽だけど、大Sにとっては災難のようだ。でも、合格が決まるまでは、友達みんなが妹が入るのを楽しみにしていたので落ちたら恥ずかしいと言っていたのに、いざ合格したら複雑な思いがあるらしい。さあ、これから短パン娘の活躍はこうご期待。

入学初日の流儀

Oct 12, 2020

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