不妊治療

香港不妊治療体験記05


不妊治療

筆者: 不妊治療を経て2児(双子)の母

For Mumsの「健康」カテゴリーに「不妊治療アンケート回答」もありますのでご覧ください。

 


香港不妊治療体験記05

⑤ 「体外受精①~手術初体験!」

体外受精のサイクルは、生理2サイクル分、約2ヶ月を通して行われました。まず1サイクル目にホルモンを調整するために香 港では薬局でも買える普通のピルを処方され、これを飲みます。そして、ピルが終わったあとの生理の2、3日目にクリニックに行き、血液検査(ホルモンの水 準を調べます)および超音波(卵巣の状態をチェックしていくつ卵胞があるかなど見ます)を行います。その後は毎日排卵誘発剤を注射しながら2,3日に1回 の割合でまず朝一番に血液検査と超音波、さらに血液検査の結果が出てから先生とお話して薬の量を調整、ということが繰り返されます。ちなみに超音波は内診 で、毎回卵胞の数と大きさを調べ、これを超音波技師のお姉さんがチャートにつけていきます。排卵を刺激しているだけあって、左右の卵巣をあわせると20個 近くの卵胞が最終的には確認できるようです。そして、実際に自然な排卵が起こる直前に排卵を起こす誘発剤を注射し、直前に病院で採卵という作業となりま す。

1~3回目のトライの際は、周りに聞くとかなり一般的に使われるお薬である排卵誘発剤、「GonalF」が使われました。 私は失敗のたびにこの誘発剤の量を増やしていったのですが何といってもこの薬の使用量が治療費を大きく左右しました。(費用のお話はまた改めて。)このお 薬は注射での投与で、1日1回、インシュリン用の注射器でお腹の脂肪のところに注射します。日本では不妊治療の際に自分で注射することは認められていない そうで、不妊治療の障害のひとつとして「毎日病院に注射に通わなければならない」ということがよく聞かれます。が、ここは香港。最初の1回を注射しながら 看護婦さん、「皆さん自分で自宅で注射しますから自分でこういうふうにしてください」なんてデモを始めるじゃないですか。すっかり毎日クリニックに通う気 分になっていた弱虫な私は自分で自分に針を刺すなんて考えただけでも卒倒しそうに!もちろん、以降我が家ではすべての注射はダンナの仕事となりました。 (出張のない仕事をしているダンナに感謝!)ちなみに、公立のクイーンメリー病院では自分での注射は認められておらず、注射に毎日通う必要があるそうで す。なお、私の場合は黄体形成ホルモン(LH)のレベルも低いということで、別に「Luveris」というLHホルモンもインシュリン針で毎日投与してい ました。

さて、1回目のトライの採卵の日、全身麻酔になるということで前日の夕方から断食した上で朝早くにサナトリウム病院にチェックインしました。Women’s Clinicでは不妊治療に関する手術はサナトリウム病院のIVFセンターで行われます。Women’s Clinicの先生方は手術は時間にずれの生じない朝一番にするので、患者としてはとても助かりました。さて、手術着に着替えて看護婦さんに連れられてト イレスリッパのようなスリッパをはいて自分で歩いて手術室に行くと、Leong先生とともに麻酔の先生がいて(麻酔の先生はサナトリウムの担当の先生で自 分で選ぶことはしませんでした)、看護婦さんとともにすばやく準備をしてくださいました。前にも書きましたが、抜歯のときの麻酔しか経験のない「手術初体 験」の私はかなり緊張していて、点滴で麻酔をいれ、「息がしやすいようにマスクしますね」と大きな酸素マスクをしてもらって「いつ眠くなるのかし ら。。。」とドキドキしながら思っていたらそのままブツっと寝てしまったようです。次に「あ、眠い、そうか、こうやってお薬が効いてくるのね」なんて思っ たときには実はすべて終わっていて、麻酔の先生が「はい終わりましたよ~」と起こしてくれていたところで、「ええええ?」とかなり間抜けな気分を味わいま した。採卵の作業自体は超音波を見ながら注射器で膣の壁を突き通して卵をひとつずつとっていくそうで、すべてのトライで10~15個の採卵がありました が、作業自体は30分ほどと、たいして時間はかかりません。一方、私が手術を受けている間にダンナは自分の精子を持ってIVFセンターへ。ここで採卵され た私の卵と精子の顕微授精が行われます。顕微授精というのは普通の体外受精よりも一歩先の段階とどこかで読んだ記憶がありますが、Leong先生の場合は 体外受精と言えば顕微授精でした。なお、採卵に関する麻酔も先生や病院によって姿勢が違うようですのでチェックする必要があると思います。香港でも採卵に 際して日本と同様、ほとんど麻酔を使わないで行う病院もあるようです。Women’s Clinicの場合、とにかく「いかに女性の痛みを軽減するか」が重視されましたので、その後受けた別の手術でも全身麻酔が使われました。

手術が終わった後は移動ベッドにのせてもらってお部屋へ。ここでうとうとしながら術後の血液検査などをした上で、最終的に いくつ卵が取れたか、状態はどうだったか、今後のお薬について、などの説明がIVFセンターのスタッフ(コーディネーター)からされます。なお、このコー ディネーターの方はその後受精卵を戻すまでほぼ毎日受精卵の状態(グレードがあります)や育ち具合(細胞分割した数)などを電話で報告してくれます。全身麻酔をしたということで、①お昼ご飯を食べて気分が悪くならない、②自分でトイレにいける、③血液検査の結果がOK、の条件を満たせば付き添いがなくとも 午後早い時間に退院することができます。1回目のときは何もわからずサナトリウムでお食事を頼んだのですが、これがとにかくまずかった。。。「持ち込み OK」ということで、私は2回目以降はダンナに頼んでシティースーパーでおにぎりを買ってきてもらって食べていました。

なお、気になる「後遺症」的症状ですが、少しの出血とあとは生理痛のような痛みがあるかもしれないということで、痛み止め をかなりの量処方されたのですが、私自身は薬を飲むほどの痛みにはならずにすみました。また、手術をするので感染症などを起こさないために採卵の2日ほど前から抗生物質を飲みました。

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