不妊治療

香港不妊治療体験記10


不妊治療

筆者: 不妊治療を経て2児(双子)の母

For Mumsの「健康」カテゴリーに「不妊治療アンケート回答」もありますのでご覧ください。

 


香港不妊治療体験記10

⑩ 「不妊治療を体験して~不妊治療は怖くない」

ダンナによると私はかなり「痛い~」と注射(特にプロジェストロンのオシリ注射!)の際に結構弱音を吐いたそうですが、私 自身は弱虫の割には数知れない注射の数も結構明るく乗り切ったと思っています。(自画自賛!)注射針の山をペットボトルにキープしておいて、いっぱいに なったら病院で処分してもらうためにクリニックに持っていったのですが、2リットルボトルいっぱいに詰まった注射針を見るのはもう圧巻の一言でした。

不妊治療を考えるにあたっての不安材料として前回お話した費用のほかに、①肉体的苦痛、②精神的苦痛、があるでしょう。肉 体的苦痛に関しては、私のお世話になった先生がとにかく患者の苦痛をできるだけ抑える努力をして下さったおかげで日々の注射の苦痛以外は特に大きなものは ありませんでした。この注射も自宅でリラックスした状態でダンナにしてもらうことができたというのも私にとってはプラスだったかもしれません。看護婦さん に毎日してもらっていたのでは「弱音を吐いちゃいけない」と、かえって苦痛に感じたかもしれませんから。(おまけに看護婦さんの中にはイマイチ注射の下手 な人がいて、「ここにすると痛くないのよ!」なんて自信を持って刺された割にはダンナにやられるより痛い!ということもあったりもして。。。)先生によっ ては極力麻酔を使わない先生もいると聞きますので、そういう先生にお世話になった場合は肉体的苦痛はある程度覚悟の必要があるかもしれません。

もうひとつの精神的苦痛ですが、これは私の場合全くと言っていいほど感じませんでした。もちろんこの能天気な性格も大きく 作用したと思われますが、加えて近いお友達に不妊検査や治療経験者がいて(日本、香港を含めて)それほど特別なこととは感じなかったことが大きな要因だっ たと思います。また、こういったお友達に「あなたの場合はどうだった?」と体験談を聞いたり、また「こんなことしたのよ~」と自分の体験談を面白おかしく 話すことで気をまぎらせたりして、「誰にもいえない」という感覚がなかったことも非常に私の精神衛生上良かったと思います。親しいお友達に話せない、話しても理解してもらえない、という状況にある方々は、香港でも不妊サポートグループがありますし、日本にも数多くそういうグループがあるので、何らかの形で 自分の気持ちや状況について、「吐き出せる」場を作ることはとてもプラスになると思います。もちろん、ご主人と二人協力するだけで十分、というカップルも いると思いますが、うまくいかないときについ愚痴をこぼしたくなるのが人間。そいういうときに愚痴を聞いて「大変だね」と言ってサポートしてくれる人がい るということだけでもとても救われるものです。

年齢についても気になるところでしょうが、実は私たちのように30代前半のカップルというのはWomen’s  Clinicの場合非常に「若い」患者に入るそうで、失敗するたびに看護婦さんたちは「若いからまだ時間がある!」と励ましてくれました。確実な結果が 見えない検査、治療であるだけに、あせりが生じることはありますが、今は技術の進歩で40代後半の方でも治療に通う時代です。ご夫婦それぞれのプライオリ ティーに応じて判断すればいいのではないでしょうか。とはいえ、私は個人的に早く行ってよかったと思っていますが。(なかなか「若いからがんばれ」なんて 30過ぎて聞ける言葉ではありませんしね。)

「検査でもしてみようかしら」と軽い調子で始まった我が家の不妊治療は、お休み期間も入れてトータル2年半で双子出産、と いうハッピーエンドになりました。日本で検査・治療をした友人たちに言わせると、2年半の間に体外受精を4回もして出産してしまうというスピードは考えられないくらい早いそうです。ただ、私は急かされたような気分はあまりしておらず、先生に「やってみる?」と言われるままにステップアップしてきた、という 感じです。私がこの先生を非常に信頼できた理由として、前にも書きましたが、質問には丁寧に理解できるまで答えてくれること、一回失敗に終わったらそれと 同じことを繰り返さないために手法を変えて試行錯誤してくれること、がありました。というのも何度か登場している知人は9回の人工授精と3回の体外受精を 別の先生で失敗し、全く治療の仕方を変えてくれないことに不信感を覚えてLeong先生に変えたと言っていたので、やはり信頼できる先生にお願いするとい うのは重要なポイントのようです。

6月はじめの日経新聞で、2006年に出産した人の13%(確か。。。)が不妊治療を受けていたとのアンケート結果が出ていましたが、不妊治療、とくに検査においては特に身構える必要がなくなってきているのが現実だと思います。治療となると費用の問題などいろいろ考えるべき こともあるでしょうが、「ほしいけどできない。でもどうすればいいかわからない。」という方にはぜひ気負わずに病院、クリニックのドアをたたいてみていた だければと思います。これまで長々と書いてきましたが、私の体験記が香港での不妊検査・治療を考えていらっしゃる方々の参考に少しでもなったのであれば幸いです。

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