香港子育て回顧録 -これまでも、これからも

運転注意

運転注意

香港子育て回顧録 -これまでも、これからも

白井純子 

愛知県出身。大学では日本国文学科専攻。北京電影学院留学中に香港人である現在の夫と出逢う。長男を東京で、次男を香港で出産。

2014年夏に9年間暮らした香港から大阪に帰国。帰国後に保育士資格とチャイルドマインダーの資格を取得。

2019年夏から息子達の留学のためバンクーバーに滞在中。現在の関心ごとは「Sustainability」。

 


運転注意

日本に遊びにやって来る香港人の友人が、自動車をレンタルして日本国内で運転をするということをたまに聞く。日本観光をするなら、自由気ままに移動できるレンタカーがあったほうが公共交通機関を利用するより便利でコスパも良い。多くの香港人がすでに何度も日本を訪れていて、いわゆる観光地よりも、もっとディープな、生活感を感じられる旅を求めるとも聞く。

私は香港から帰国した当時ペーパードライバーだった。運転免許を取得して20年近かったけれど、実際に運転することは稀で、ハンドルを握ることさえ不安だった。しかし、日本で生活するには、特に住宅地のようにスーパーや病院まで歩いていくと距離があるような場所で生活するには、自動車がないと何かと不便を感じることが多い。私も小型の軽自動車を購入し、少しずつ運転にも慣れ、今ではこのマイカーで買い物も出勤も、子どもの習い事の送り迎えもこなす。

さて、日本での運転に慣れていない友人たちに私の経験をお話ししたい。日本でレンタカーを運転する際に是非気を付けてもらいたいことだ。

日本では、特に住宅地では、驚くほど自転車が多い。香港と違い、子ども達は自転車を使って一人で遊びに出かけたり、習い事に通ったり、通学したりする。その上、私たちが帰国してすぐの頃、自転車と歩行者の衝突事故が相次いだことから、自転車は車両であるために、歩道を走行してはいけないということが決まり、自転車が車道の左側面を走行するようになった。しかし、もともと自転車の走行を想定していなかった車道は狭く、自転車と並走、自転車を追い越しする場合、自転車と自動車の距離が非常に近くて危険を感じることが多い。しかも、子どもの運転する自転車はふらつき、母親の運転する自転車は前後に幼児を乗せ、中高生の自転車は2台で並走していることもある。日本人は真面目な民族で、ルールには従う。自転車は車道を走るというルールが決められたらそれに従うのだが、逆に自身の安全について自身で考えることが苦手なのか、車道を走ることへの危険性を真剣に意識している人は意外に少ない。一番ひどいのは自転車の逆走だ。自動車を運転していて前方からものすごいスピードで自転車が逆走してくると、恐怖を感じる。全身に鳥肌が立つ。車道を走ることだけ守らなくてもいい!と思う。「死にたいのか!」と柄にもなく車内で一人大声を出してしまう。こんなルール違反を自転車側が行っていたとしても、事故が起こった場合には、自動車側の責任も大きく問われることになる。

香港に住んでいた頃に私がよく感じた「自動車優先」は日本では通用しない。日本では弱者優先だ。自動車より自転車、自転車より歩行者が優先される。香港流の運転をするとひんしゅくを買うことがあるので注意してほしい。

香港人の夫は、香港での運転に慣れているため運転は上手い。しかし、運転する際の車間距離の取り方や、カーブで曲がる際のスピードの落とし方などが日本人と違うため、助手席でひやっとすることが多い。明らかに相手の反感を買ってしまったと気づくこともある。

日本での運転に慣れていない方は、車間距離やスピード、車道を走る自転車などに十分に注意して、楽しい旅行を楽しんでいただきたい。

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